io-data ETG2-SHV16N の奇妙な動作

ETG2-SHV16N によるギガビット家庭内ネットワーク

昨年リフォームしたのを機会に、家の中のネットワークをフルギガビット対応にした。ケーブルはすべて CAT5E で引き直し、ギガビット対応の16ポートスイッチを導入した。検討した結果、選択したのは I-O DATA VLAN対応 16ポートギガビットレイヤー2スイッチングハブ ETG2-SHV16N という製品である。

ただの16ポートのギガビットスイッチを探してもコンパクトなものはそう多くはなかった。この製品はコンパクトなだけでなく VLAN に対応していて、ポートのミラーリングや SNMP もサポートしている。また、VLAN は「マルチプルVLAN」と称して、別の VLAN セグメントを切りながら、外に出て行くルータは共有することが可能だ。こうすると、たとえばゲーム機やゲスト用に専用のセグメントを作って、外部接続のみを共有することができる。家庭で使うには便利な機能だ。

とりあえず、2ポートをケーブルモデムとルータの外部ポートに割り当てて、残りをLAN用に使っている。ルータとケーブルモデムの間でどんな通信が流れているか見たくなったら、ポートミラーリングでそれを監視することができて便利だ。直結してしまうと見ることができないし、ただのスイッチングハブを挿んでも監視は難しい。CATVによる接続は一応最大 160Mbps を謳っているので、そこは 100M じゃ困るのだ。

こんな製品が2万円ちょっとで買えるとは、ずいぶんと進歩したものである。難点を言えば、ファンレスではないということだろうか。ファンが小さいためもあり、かなりの音がする。居室に置いてあると気になるだろう。うちの場合は、階段下の普段人がいない場所に、ボックスに入れて置いてあるので特に大きな問題はない。

ETG2-SHV16N の奇妙な動作

VLAN を作ったり、ミラーの設定をしてみたりと、いろいろ触っていた結果、このスイッチが奇妙な挙動を示すようになった。簡単に言えば、スイッチング動作をしなくなったのである。そのポートに関係のないパケットが流れて来るのだ。もちろんミラーの設定はしていない。完全にバカハブ状態になったのかというとそうでもない。ポートによって流れて来たり流れなかったりするのだ。

しかも、前に書いたように MacBook Air のインタフェースが promiscuous mode になりっぱなしになったので、全然ネットワークを使っていないのにアクティビティモニタのネットワークのグラフが振り切れてたりする。それも、ギガのポートのデータが 100M のインタフェースに流れ込んで来たりするのでたまったものではない。

そうは言っても、たかが家の中を流れるデータなので実際に通信が影響を受けるほどのことはなく、気持ち悪いのを我慢してそのまま使っていた。もちろん、メーカーに問い合わせればいいのだろうが、データを用意するのも億劫だし、どうせリセットしろとかデフォルトに戻せとかいろいろ面倒なことを言われるに決まってるので腰が上がりにくい。こういう場合、大概は何もわからないド素人扱いから始まるので、そうではないということを納得してもらうまでにくたびれてしまうのだ。

ファクトリーデフォルトに戻したら、とりあえず直った

少しずつ部屋の片付けも進んできたので、気持ち悪いスイッチの状態もなんとかしてみるかということで、やっと手を付けてみた。結果は単純で、とりあえずファクトリーデフォルトに戻して再設定したら問題は解消した。と言っても、外部用と内部用に2つの VLAN セグメントを作成しただけの単純な構成なので、これ以上複雑な構成にした時に何が起こるかはわからない。ミラーの設定をして解除するくらいはやってみたが、特に問題はなさそうだ。

今のところ、この構成で問題がないので、しばらくはこのまま使うことになるだろう。本当はメーカーに文句の一つも言いたいところなのだが、そのために現象を再現させる手間ももったいない。当分はその機会もなさそうなので、忘れないためにここに書いておく。

ちなみに、ギガビットの環境で監視だけしたいのなら アライドテレシス CentreCOM GS905LF レイヤー2スイッチ 0368R がよさそうだ。ただ、これでも1万円以上するし、そこまでネットワークをもっていかないといけないから、VLAN 対応でミラーできるスイッチの方が圧倒的に使いやすい。