扉を開けると鋼の樹木が


五月の連休から行っていた家のリフォームがやっと完了した。工事自体は8月に終了して引越もすんだが、玄関の柱問題が片付いていなかった。玄関横にあったバスルームを2階に移動して、玄関と収納を一体化して広いスペースを作ったのだが、その中にどうしても構造上取り外すことができない柱が一本残ってしまったのだ。玄関を入ると正面にその柱があってすこぶる邪魔である。まあ慣れればどうっていうことはないのだが、お前なんか生まれてこなければよかったと親に言われている子どもみたいで、その存在自体がどうにも不憫だ。右の絵は、SketchUp で作ったパース。

この柱になんとか存在意義を見つけてやりたいと思っていろいろ考えたのだが、なかなか妙案が浮かばない。そこで実家の近所に住んでいる鍛鉄工芸家の西田さんを思い出して相談してみると、柱全体を鉄で覆って自然木のようしてしまい、そこに鳥や動物などをあしらってみてはどうかということ。柱上部には電源も準備していたので、それを使った細工もできる。

ということで、製作をお願いしていた鉄製の柱がやっと完成し、金曜日に取り付け工事をすることになった。丁度午後まで仕事もなかったので、一緒に工事を手伝わせていただく。工事前の柱はこんな感じ。クロスを剥がし、パテの下からネジを探し出して抜いて合板を取り外すと、中から元の柱が見えてくる。

取り付け前の柱は、大きく4つのパーツからできている。


3時間あまりの作業の後、ついに柱が完成。

幹にはネズミが2匹いて、上のネズミの下に電燈のスイッチがある。

最初は、木の節のところに穴を開けてLEDのライトをつけてはとか、キツツキがスイッチを押すとオルゴールが鳴るようにしてはなど、いろんなアイデアがあったのだが、先日工房を訪ねてほぼ完成したものを見せて頂いた時に、ナルニアの街灯を連想して、枝からランプを下げてくださいとお願いした。まったくイメージ通りに仕上がっていたので大満足なのだ。これで、この柱は我が家の玄関になくてはならない存在になった。

当日の西田さんのブログはこちら