電気工事士試験はぶっつけで合格できるか

 先週末、第二種電気工事士の筆記試験を受けて来た。1週間前になってやっと参考書を開いて、オームの法則まではよかったが、三相交流回路が出てきた時点で気持ちが萎えた。電気屋になるわけじゃなく、家のコンセントの工事をしたいだけなので、そんな知識は必要ない。資格と機会があったとしても、そんな工事を自分でやるわけない。

 萎えたまま放置して試験前々日。しかも翌日は朝から家で宴会なので勉強する時間はない。今日はやるぞと思ったが、じゃあその前に運動するかとジムに行ったりしていたら夕方5時になった。SNSというのは、地球人の生産性を落とすために宇宙人が送り込んだ罠なんじゃないのか。これはまずいと図書館に移動。

 半ば諦めて、とりあえず参考書に載っている去年の問題をやってみることにした。歯が立たなければ今年受けるのはやめるつもりだったが、結果は合格ラインの60点。可能性は五分五分ということか。まずい。潔く諦めようという計画が狂った。仕方なく、答合わせをしながら関連部分をチェックすることに。8時まで図書館にいて残りは夕食後家でやろうと思ったが飲んじゃって終了。翌日は予定通り昼から宴会で夜は酔っぱらいなので何もせず。

 試験当日は朝7時に起きて答え合わせの続き。一応それが終わって、試験会場までの移動中参考書に目を通す。受験者は若者ばかりかと思ったら、案外年配の人も多い。試験時間は2時間だが、1時間経つと半分くらいの受験者は退室してしまう。こっちはない知恵を絞って法則を発明したり推理ゲームに取り組んでいるので、やっと一般問題が終わったくらい。最後になるのは嫌なので、15分程を残して終了。自己採点の結果は50問中37問正解の74点でした。一応合格だが、合格者中の順位は最低の方だろう。

 さて、専門知識がなくても、半日ほど準備すれば合格できることはわかったが、何もしなくても合格できただろうか。というわけで今年の問題を使って分析してみた。結果を先に書くと期待値は57点。つまり、28〜29問は正解できたろうということだ。運がよければ合格するかもしれないが、落ちる可能性の方が高い。ざっくり言って、何も準備せずぶっつけで合格できた可能性は30%てところだろうか。右側に○を付けたのは、事前に勉強したから正解できた問題。

番号 一般問題 期待値
1 抵抗が長さに比例し断面積に反比例することを知っていれば簡単。 2
2 抵抗の計算ができればOK。ちょっとひっかけがあるが、まあ大丈夫だろう。 2
3 ジュールが何かという問題。迷うとすれば600か2160のどちらか。高校の授業を憶えていなければ2択。 1
4 力率なんて知らなければ分からない。ロは他の選択肢と共通部分がないから外す。 2/3
5 出た、三相交流!しかも断線。でも、Rが2つ直列で両端の電圧がEなら、そこを流れる電流はE/2Rとしか考えられない。そんな単純なはずがないと裏をかかなければ間違えるはずはない。 2
6 電線の許容電流。さっぱりわからず。 1/2
7 電圧の問題。ちょっと複雑だが、オームの法則レベルの知識を総動員すれば解けるはず。 2
8 また出た、三相交流!ちんぷんかんぷん。計算で出る数字は40と3。選択できるのは40か120だ。 1
9 ブレーカーの動作時間。わかるわけない。 1/2
10 ブレーカーの定格電流とコンセントの関係。わかるわけがない。 1/2
11 食洗器に適したコンセントの問題。アース付きが必要なことくらいわかるだろう。意味がわからなくても間違えるとは思えない。 2
12 機器の組み合わせで間違ったものを選ぶ。さっぱりわからないが、光センサーと庭園灯が違うことはわかる。 2/3
13 60Hz交流モーターの回転数。60*60は3600。極数は4だから係数は偶数だろう。偶数倍か偶数分の一の選択肢は1つしかない。 2
14 工具の問題。ダクトと圧着ペンチは関係ないだろう。 2/3
15 漏電遮断機を見分ける。テストボタンがあるからわかる。スイッチがあるので警報機でないこともわかる。 2
16 ネジなしボックスコネクタを見分ける。いかにもネジ切ってあるから、ネジなしの候補は外してしまって、出鱈目より期待値低し。 0
17 ワイヤストリッパとケーブル種別。まあ無理だな。 1/2
18 明るさセンサーを見分ける問題。これはわかる。 2
19 合成樹脂管工事に関する問題。無理。 1/2
20 湿気のある場所に適さない工事として金属ダクト工事を選ぶ問題。これは本番で間違ったのだが、金属ダクトってダクトレールのことか。もう少し考えればわかったな。でも実際できなかったので4択。 1/2
21 他の選択肢はどれもそれらしいので、選ぶとすればこれしかない。 2
22 金属管工事の末端処理に関する問題。 1/2
23 ネオン灯工事の問題。わかるわけない。 1/2
24 またネオン灯。電気屋さんてそんなにネオン灯工事するのか? 1/2
25 計器の用途を問う問題。この記号を水平を表すために使うヤツがいたら頭がおかしいからロかハの2択。可動鉄片形なんて聞いたこともないが、いかにもそういう絵なのでこれを選択。 2
26 電圧と絶縁抵抗の問題。知らないと絶対無理。 1/2
27 テスタの機能を問う問題。消去法で「漏れ電流」しか残らない。 2
28 電気工事士法の問題。わからないが、正解以外を選択するとは考えられない。 2
29 屋内電路の対地電圧。無理。 1/2
30 一般電気工作物の条件。知らないと無理。 1/2
番号 配線図 期待値
31 小勢力回路なんて聞いたこともないよ。 1/2
32 問題文の注意にあるVVFケーブルは外して3択。 2/3
33 アースの設置抵抗。 1/2
34 ブレーカーの定格電流に関する問題。 1/2
35 過負荷保護付き漏電遮断機を問う問題。 1/2
36 WPが防水であることは予想できる。防滴と迷うが多分間違えない。 2
37 シャンデリアの記号。CHと書いてあるから、まあこれを選ぶだろう。 2
38 アース付きコンセントの記号を問う問題。アースだからいかにもEっぽいし、選択肢から考えてEを含まないものは外して3択。 2/3
39 ビニルコードはいかにも駄目そうなので外して3択。 2/3
40 3路スイッチ配線の条数を問う問題。まあ無理だな。 1/2
41 PF管という名前は知っているので樹脂製パイプと予想はつく。多分大丈夫。PF管を知らなければ4択。 2
42 蛍光灯の記号を問う問題。キッチンの上のものと同じなので、蛍光灯であることは予想がつく。バスルームも同じだし、記号も壁付けっぽい。 2
43 4路スイッチを選ぶ問題。まず選択肢が全部スイッチなので記号がスイッチであることはわかる。横に4と書いてあり、他に3もあるので、これがキーワードであることはわかる。まず間違えない。 2
44 換気扇の記号を問う問題。選択肢に壁付けと天井埋め込み型の換気扇があるので、このどちらかと予想。 1
45 コンセントの記号を問う問題。LKがロックを意味するのではと予想して正解。 2
46 スイッチプレートを選ぶ問題。スイッチが2つあることはわかる。深く考えなければ正解を選べる。 2
47 200V用ブレーカーを選択する問題。定格電流を問うことは予想できるので2択かな。 1
48 クランプメーターを選ぶ問題。テスターと迷って2択。 1
49 リングスリーブの数を問う問題。配線図が描けないと無理。合計の個数も4と5が2つずつなので絞れず。 1/2
50 圧着工具を問う問題。リングスリーブが何かは直前の問題からわかる。柄の色による区別を知らなければ2択。 1

期待値を合計すると:

0 * 1 + 1 * 6 + 1/2 * 18 + 2/3 * 6 + 2 * 19 = 57

ということで57点。一般問題の一問あたりの平均期待値は 1.13、配線問題は 1.15 とほぼ同じ。

 配線については、資格の不要な範囲で棚の下に蛍光灯を設置するために以前勉強したことがある。しかし、それが役に立ったのは40番のみ。49番は、リングスリーブの総数はわかったが、2.0mmが2本あるから中2つだろうと思ったら不正解だった。

 準備に使ったのはオーム社の「2011年版 第二種電気工事士テキスト (LICENCE BOOKS)」。一番薄いから選んだ。この本には昨年の試験が掲載されていて、解答についている解説が丁寧なのがいい。正解以外の選択肢についても説明してくれているので、これを読むだけで類似問題の対策になる。しかし、テキストのどのページで説明されているかが書いてないので、探すのが大変。まあ、テキストを読まずに問題を解いてるヤツが悪いのではあるが、テキストの該当ページが解説に書いてあると、本当にいいと思いますよ。結果的に言うと、中学の理科程度の知識と一般常識があれば、この本で去年の問題を解いて、答え合わせをして解説を読むだけで合格はできたはず。

 さて、次は実技試験だ。こっちの方が断然楽しい。足りない道具を揃えなければ。