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Lagniappe 「ここ」

ここ

ここ

 地元のライブハウスで小室等・こむろゆい親子のユニット Lagniappe の演奏を聴いてきた。共演は谷川賢作氏。小室さんがたまに演っているのは知っていたが、混んでそうなのでつい尻込みしてしまう。今日は最近行った時にたまたま聞いて約束していたのだが、混んでいるというほどではなかった。ありがたいことだが、それはそれで変だとも思う。

 店で購入して3人のサインもしてもらったCDを聴いているが、アコースティックな音が我が家のオーディオにはとてもあっている気がする。際立って印象的なのは、中原中也の詩に曲を付けたという「月夜の浜辺」だ。こんな単純な内容なのに、なんでだろう?

月夜の浜辺

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
   月に向つてそれは抛れず
   浪に向つてそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?