ハッカーを読め (4)

2007年発売 UNIX MAGAZINE Classic with DVD(DVD4枚付) に書いた記事を再掲。

パンプルムース氏対ハッカー (マイケル・ボンド)

パンプルムース氏対ハッカー (創元推理文庫)

パンプルムース氏対ハッカー (創元推理文庫)

 マイケル・ボンドという名前を知らなくても、あの「くまのパディントン」の作者と言えばわかるだろう。パンプルムース氏シリーズは、元刑事で現在はグルメ情報誌の覆面調査員である主人公が愛犬ポムフリットと活躍する大人向けのミステリ小説なのである。本書はその6作目なので、これを読むためだけそれまでの5冊を読まねばならなかった。ちなみに、パンプルムースはフランス語でグレープフルーツのことなのだそうな。

 パンプルムース氏が勤務する出版社も情報化の流れでシステムをコンピュータ化することになるが、いつのまにかデータが改竄されてしまう。主人公は技術に詳しくないので、コンピュータセキュリティに通じたコンサルタントを助人として雇う。このコンサルタントと主人公の会話が、素人向けのセキュリティ入門になっているところが面白い。ただ、最新鋭のシステムのメモリが1400バイト以上となっているのは、原書の間違いかそれとも翻訳ミスなのか。

パンプルムース氏のおすすめ料理 (創元推理文庫)
パンプルムース氏の秘密任務 (創元推理文庫)
パンプルムース家の犬 (創元推理文庫)
パンプルムース氏のダイエット (創元推理文庫)
パンプルムース氏と飛行船 (創元推理文庫)
パンプルムース氏対ハッカー (創元推理文庫)
パンプルムース氏の晩餐会 (創元推理文庫)
パンプルムース氏とホテルの秘密 (創元推理文庫)

後記

 なんか名前の付いている本に昔から惹かれるような気もする。「シャーロック・ホームズ」「ドリトル先生」「モッキンポット師」「オヨヨ大統領」とかね。お酒も「リップ・ヴァン・ウィンクル」「オールド・グラン・ダッド」みたいな名前が結構気になったりする。あれれ、みんなオヤジだな。