ハッカーを読め (2)

2007年に発売された、UNIX MAGAZINE Classic with DVD(DVD4枚付) に書いた記事を再掲。

検屍官 (パトリシア・コーンウェル)

検屍官 (講談社文庫)

検屍官 (講談社文庫)

パトリシア・コーンウェルの経歴には、必ず元プログラマと書いてある。変にきどってシステムエンジニアとか言わないところに好感が持てるのだ。バージニア州の検屍局でコンピュータプログラマをしていた時の経験を元にして、この作品からはじまる検屍官シリーズを書きはじめたということだ。その前には、新聞社で警察担当記者をしていたらしいが、新聞記者からプログラマへの転身というのも面白い。しかも美人である。

もっとも、作者を連想させる主人公の女性検屍官ケイ・スカーペッタ自身はコンピュータにあまり強くなく、姪であるルーシーの言動に元エンジニアとしての経歴が強く表れている。本作品でルーシーはまだ10歳なのだが、データベースを操り、モデムと電話回線でシステムに侵入したりもする。シリーズを通じて登場人物が成長する様子に惹かれるファンも多いようだが、ルーシーはこの後天才プログラマとして活躍するのだ。

しかし、検屍局でプログラマをやってるだけで検屍官の仕事に詳しくなるのかなあ? というか、検屍局にプログラマの職員がいることがそもそも不思議だ。

後記

なぜかパトリシア・コーンウェルは元DECのエンジニアだったと思っていたのだが、これは記憶違いのようだ。ジェームズ・P・ホーガンと混同したかな。誰かに嘘を教えたことがあるような気がする。ごめんなさい。



ホーガンと言えば、ガニメデシリーズに VAX が登場していたのを思い出した。VAX-22 だったっけ?